『バニラな毎日』賀十つばさ 著|お菓子と人生に寄り添う物語
NHKドラマから原作小説へ
少し前にNHKで放送されていたドラマ『バニラな毎日』。
やさしい雰囲気が印象的で、気になって調べてみたところ、原作小説があると知り、手に取ってみました。
文庫サイズで読みやすいボリューム
賀十つばささんによる原作は、文庫本でちょうど良い分量。
お菓子をテーマにしたお話ということで、気軽に読める内容かと思いきや、想像以上に心に響くやさしい物語でした。
閉店する洋菓子店で始まる小さなお菓子教室
物語の舞台は、閉店が決まった洋菓子店。
30代の店主が、偶然再会したかつての常連客で、実は有名な料理研究家のマダムと再会します。
そこから思いがけず小さなお菓子教室が開かれることに。
教室には、心に何かしらの悩みを抱えた男女が集まり、それぞれのエピソードが丁寧に描かれていきます。
甘い香りと心地よい人間模様
お菓子のレシピや作り方も丁寧に描かれていて、読んでいると甘い香りが漂ってくるようです。
サバサバした性格の主人公と、破天荒なマダムのやり取りもテンポよく、重すぎず軽すぎない、ちょうどよい空気感がとても心地よかったです。
心に残った一言
読んでいて特に印象的だった言葉がこちらです。
「菓子は作って売ったら終わりだと思っていた。けれど私の作った菓子は人から人に渡って、その先にある彼らの人生とともにあった。」
お菓子が単なる“モノ”ではなく、人と人との間をつなぐ存在として描かれていることに、じんわりと感動しました。
本を読んでいると、こういう言葉に出会えるのが嬉しいですね。
続編も楽しみ
続編に『バニラなバカンス』があるそうなので、そちらもぜひ読んでみたいと思います。
お菓子が好きな方、心温まる物語を求めている方におすすめの一冊です。
